■ はじめに
モラハラする人って、なんでコントロールしようとするんだ?って思いませんか?
できたら、モラハラからすぐに脱出してのびのび自由に楽しく暮らしたいって思いませんか?
そのきっかけはどうやって作るの?
そんな疑問をお持ちの方に、モラハラの構造を知るきっかけになってもらえたら嬉しいなと思います。
モラハラを受けていた私の母が体験した「自分の感情を取り戻す」ことに繋がってくるからです。
まず、モラハラ(モラルハラスメント)は、言葉や態度で相手をコントロールしようとする心の暴力です。
けれど、ここで見落とされがちなのは、支配する側もまた、支配の中に囚われていくという事実。
「俺が正しい」「お前は間違っている」と繰り返すうちに、いつの間にかその人自身も、“恐れ”に縛られていくのです。
今日は、そんな「モラハラ夫のコントロールが必ず自分に返ってくる理由」を心理学と人間関係の観点から紐解いていきます。
■ コントロールの根っこにあるのは「不安」
モラハラ夫の多くは、意外なほど不安と自己否定感を抱えています。
強くありたい、完璧でありたい、優位でいたい、弱みを見せたくない。
だから「OOであるべき」という価値観で日常を動かします。
私の父はモラハラ夫で、妻は夫に仕えて当たり前という価値観で母をコントロールしており、母はいつも疲れていました。
そんな父がモラハラになる恐怖を作った原因は、父の母親の家出と、同級生が父の母親を誰かの家にいるのを目撃したという報告でした。
自分の家の、しかも大好きな母親が家出して、別の誰かの家にいる。当時10歳ごろであった父がどれだけ傷ついたか、同級生に弱みを知られた恥ずかしさや、言いふらされたら…など、尋常ではない精神がここでできたのかと想像できます。
モラハラ人とは、そうした心の奥にある恐れを隠すために、もっとも弱く、抵抗しない相手を攻撃するのです。
しかし、その「コントロール」という手段は、実は恐れの延長線上にあります。
妻を支配することで、自分の安心を保とうとする。
けれど、人を支配する行為は、同時に「相手の反応に依存する生き方」でもあります。
妻が笑わないと不安になる。
言うことを聞かないと怒りが湧く。
——つまり、いつの間にか「相手次第の人生」になってしまうのです。
■ 「やったことは、いずれ自分に返ってくる」
心理学ではこれを「投影の法則」と呼びます。(家族研究所ではブーメランの法則と言っております。)
人は、自分の内側にあるものを外の世界に映し出す。
たとえば、妻を「無能だ」と責め続ける夫は、心のどこかで自分の無力さを恐れています。
妻を「感情的だ」と罵る夫は、自分の感情をコントロールできないことを隠している。
だからこそ、コントロールしようとすればするほど、人生はその鏡を突きつけてきます。
子どもが自分を避けるようになったり、仕事で信頼を失ったり、思い通りにならない現実が増えていく。
これは、宇宙の報いではなく、心の法則の反映なのです。
「やったことは返ってくる」とは、単なる道徳の話ではなく、
自分の思考と行動がそのまま現実を作るという心理的な現象です。
■ 支配するほど、孤独になる
支配関係が続くと、夫婦の間から“信頼”が消えていきます。
妻は萎縮し、笑顔を失い、会話は減り、心が離れていく。
一方で夫は、「なぜ自分を理解してくれないんだ」とますます孤立を深めます。
そして気づけば、家庭の中で誰も自分を慕ってくれない。
子どもたちも距離を置き、家の中で孤独に苛まれる。
——これは偶然ではなく、コントロールの代償です。
人は誰かを押さえつけているようでいて、
実はその関係性の中で、自分自身を押しつぶしているのです。
■ 解放の第一歩は、「手放す勇気」
では、どうすればこのループから抜け出せるのでしょうか。
答えは、たったひとつ——コントロールをやめることです。
相手を変えようとせず、自分の内側を見つめる。
「なぜ自分は支配したくなるのか」「何が怖いのか」と、静かに問いかける。
このとき大切なのは、“自分を責めないこと”。
モラハラ的な言動は、学習された「生き延びるための癖」にすぎません。
それを認め、癒し始めることで、人は変わっていけます。
瞑想やカウンセリングなどを通じて、自分の心と再びつながり直す。
そこから、ようやく「支配ではなく、信頼に基づく関係」が育ち始めます。
■ おわりに
コントロールとは、愛の逆側にあるものです。
愛は相手を自由にする力であり、支配は相手を閉じ込める力です。
どちらを選ぶかで、人生の風景はまったく変わります。
そして皮肉なことに、人を自由にするほど、自分も自由になっていくのです。
あなたがもし、かつて誰かに支配された痛みを知っているなら——
もう、その痛みを他人に渡す必要はありません。
心の中の鎖をそっと外していくことで、
人は本当の意味で「強く、やさしい存在」に戻っていけるのです。